Miami Worldcenter Station開業|AppleやLululemon出店、11,000戸住宅&1,100室ホテル建設へ!
October 31, 2025
朝の強い陽射しを受けて輝くホームに、新設されたキャノピーと照明が映える──。ダウンタウン再開発街区に隣接するメトロムーバーの拠点が、旧称 Park West から 「Miami Worldcenter Station」 へと改称され、2025年9月8日に再オープンしました。
今回は、マイアミで進む最新の都市開発ニュースとして、この駅の再オープンが街の成長や公共交通とどう結びついているのか、その背景と影響を詳しく見ていきましょう。
Miami Worldcenter Stationが再オープン|旧Park West駅の全面改装と名称変更

かつて「Park West」と呼ばれていたこの駅は、1994年開業のMetromover(ダウンタウンを循環する無料の無人交通)の停留所のひとつ。Kaseya Center(旧アメリカン・エアラインズ・アリーナ)や港湾エリアへのアクセス駅として機能してきました。
ただし周辺は長く再開発が進まず、イベント時以外の利用は限定的。駅名からも目的地が直感的に伝わりにくいという課題がありました。
その状況を変えたのが、ダウンタウン北側で段階的に整備が進む「Miami Worldcenter」です。総事業費60億ドル、約11万㎡に及ぶ複合再開発で、その広さは東京ドーム約2個分に相当。住宅・ホテル・小売・レストラン・イベント空間を一体化した“都市内都市”を掲げています。
今回、Park West駅は床タイルやキャノピー、エスカレーター、座席、照明といった設備更新を経て、「Miami Worldcenter Station」として再出発しました。改装費用は開発側が負担。街づくりと公共交通を直結させる象徴的なアップデートです。名称を街区と揃えたことで、降り立った瞬間に行き先が明確となり、“再開発エリアの玄関口”としての役割を担うことになりました。
※Metromover(メトロムーバー)は、マイアミのダウンタウンを循環する自動運転の高架交通システムで、運賃は完全無料。東京の「ゆりかもめ」や大阪の「ニュートラム」に似ていますが、改札なしでそのまま乗れる点がユニークです。
駅改装と名称変更で進化|都市開発と投資価値を高める結節点へ
刷新の意義は、快適性向上にとどまりません。都市開発や投資の視点から見れば、駅改装と名称変更は「Miami Worldcenter」という60億ドル規模の再開発全体の資産価値を底上げする戦略的な一手です。
まず、公共交通と街区ブランドを一体化させたことで、訪問者は迷わず「Miami Worldcenter」という目的地を認識できるようになりました。駅名と街区名が一致することで都市の“顔”が明確化し、来訪者の流れを直接取り込めます。これは小売やホテルの集客にも直結し、不動産の収益性を高める効果があります。
さらに、改装費用を開発側が負担した点は、官民連携による都市投資モデルの一例。公共交通への直接投資でアクセス性を高め、商業ポテンシャルを強化することで不動産市場での競争力を高めています。結果として投資家に「安定した価値上昇が見込める資産」であることを示す重要なシグナルとなりました。
アクセス改善と商業効果|Miami Worldcenterの集客力アップ
設備更新は、周辺エリアの利便性や商業価値にも直結しています。新しいMiami Worldcenter Stationは、再開発街区とダウンタウンを結ぶわかりやすい入口となり、通勤者や観光客が迷うことなくアクセス可能になりました。
無料で利用できるMetromoverと直結しているため、交通コストをかけずに訪問できる点も大きな強みです。小売やレストラン、イベント施設が集まるMiami Worldcenterへ直接誘導できることで、街区全体の回遊性が高まり、観光や商業の波及効果が期待されます。

すでにApple、Sephora、Lululemonといった国際ブランドが出店。Maple & Ash(高級ステーキハウス)、Sweet Paris Crêperie、Earls Kitchen + Barなどの飲食店、Lucky Strike Bowling、Museum of Ice Creamといった娯楽施設も続々と加わっています。さらに、総計11,000戸超の住宅ユニットや1,100室を超えるホテル開発も計画されており、複数のタワー建設が進行中。複合機能を備えた“都市内都市”としての姿が鮮明になりつつあります。
まとめ|Miami Worldcenter Station開業で高まる都市ブランド価値
Miami Worldcenter Stationのリニューアルは、都市開発と公共交通の一体化を象徴する出来事となりました。Metromoverをはじめとするネットワークによって、住民も観光客も追加コストなくMiami Worldcenterへアクセスできる環境が整い、街区全体の回遊性と集客力が大きく向上しています。
さらに、駅と直結するMiami WorldcenterにはAppleやSephora、Lululemonなどの国際ブランドがすでに進出し、飲食やエンターテインメント施設も拡充中。住宅やホテルの開発も進み、“都市内都市”としての姿が着実に形づくられています。
新しいMiami Worldcenter Stationは、都市と人をつなぐ“ゲートウェイ”として再生しました。街の発展とともに、この駅がどのように進化していくのか──今後も注目が集まります。

Miami Worldcenter Station・開発概要
- 駅名:Miami Worldcenter Station(旧Park West駅)
- 再開日:2025年9月8日
- Miami Worldcenter開発
- 敷地面積:約11万㎡(東京ドーム約2個分)
- 規模:総事業費60億ドル
- 機能:住宅、ホテル、小売、レストラン、イベント空間などを一体化
- 出店ブランド:Apple、Sephora、Lululemon、Posman Books、Lucid Motors など


